急な出費でお金が必要になったとき、手元に現金がなくて困った経験はありませんか。
そんなときに便利なのが、スマートフォン一つで後払いが利用できる「後払いアプリ」です。
本記事では、後払いアプリを利用した現金化の仕組みや審査の有無、具体的な方法、そして伴うリスクについて詳しく解説していきます。
後払いアプリ現金化とは?その仕組みを解説
最近よく耳にする「後払いアプリ現金化」ですが、具体的にどのような仕組みなのかご存知でしょうか。
まずは、後払いアプリの基本的な機能と、現金化がどのように行われるのかを理解しておきましょう。
安全に利用するためにも、基本的な知識を身につけておくことが大切です。
後払いアプリの基本的な仕組み
後払いアプリは、商品やサービスの代金を後から支払うことができる決済サービスです。
アプリをスマートフォンにインストールし、必要な情報を登録するだけで、オンラインショッピングや実店舗での支払いに利用できます。
クレジットカードのように、利用した金額は翌月などにまとめて支払うのが一般的です。
手元に現金がなくても買い物ができ、多くのアプリは利用開始時の審査が不要か、もしくは非常に簡易的であるため、幅広い層に利用されています。
現金化の具体的な手口
後払いアプリの現金化とは、アプリのショッピング機能を使い、現金を手に入れる行為を指します。
主な手口は2つあります。
一つは、後払い決済で換金性の高い商品(ゲーム機やブランド品など)を購入し、それをリサイクルショップや買取専門業者に売却して現金を得る方法です。
もう一つは、「現金化業者」と呼ばれる専門の業者を利用する方法です。
業者が指定する商品を後払い決済で購入し、その見返りとして現金をキャッシュバックしてもらうという流れが一般的でしょう。
後払いアプリの現金化に審査はある?
クレジットカードの作成やローンの契約には必ず審査がありますが、後払いアプリの場合はどうなのでしょうか。
「審査なし」と謳われることも多い後払いアプリですが、その実態について詳しく見ていきましょう。
利用する上で非常に重要なポイントになります。
アプリ登録時の本人確認
多くの後払いアプリでは、利用を開始する際に厳しい審査はありません。
しかし、電話番号を使ったSMS認証や、氏名、生年月日などの基本的な個人情報の登録は必要です。
また、利用限度額を上げる際や、特定の機能を利用する場合には、運転免許証やマイナンバーカードを用いた本人確認(eKYC)が求められることもあります。
これは不正利用を防ぐための措置であり、厳密な意味での「審査」とは少し異なります。
多くの後払いアプリは信用情報機関の審査がない
後払いアプリの大きな特徴として、クレジットカード会社や消費者金融が行うような、信用情報機関(CIC、JICCなど)への照会を伴う審査が原則としてない点が挙げられます。
そのため、過去にクレジットカードやローンの支払いを延滞した経験がある、いわゆる「金融ブラック」の状態でも、後払いアプリなら利用できる可能性が高いでしょう。
これが、審査に不安がある人でも手軽に始められる理由の一つです。
利用状況によって限度額が変動する
多くの後払いアプリでは、最初から高額な利用ができるわけではありません。
初回の利用限度額は数千円から数万円程度に設定されていることがほとんどです。
そして、アプリの利用実績や支払い状況に応じて、AIなどが独自の審査を行い、限度額が徐々に増減する仕組みになっています。
期日通りに支払いを続けていれば限度額は上がりやすくなり、逆に支払いが遅れると限度額が下げられたり、利用が停止されたりすることもあります。
審査なしで利用しやすい後払いアプリの例
ここでは、比較的審査が厳しくなく、手軽に利用開始できることで知られている後払いアプリをいくつか紹介します。
ただし、これらのアプリが現金化を推奨しているわけでは決してありません。
あくまで、後払い決済サービスとしての特徴を解説するものです。
ペイディ
ペイディは、メールアドレスと携帯電話番号だけで登録が完了し、すぐに利用を開始できる後払いサービスです。
本人確認をしなくても一定額の決済が可能で、AmazonやQoo10など多くのオンラインストアで利用できます。
分割手数料無料の「3・6・12回あと払い」を利用するには本人確認が必要になりますが、通常の翌月一括払いであれば、登録後すぐに使い始めることが可能です。
バンドルカード
バンドルカードは、誰でも作れるVisaプリペイドカードアプリです。
アプリからバーチャルカードを即時発行でき、年齢制限もありません。
「ポチっとチャージ」という機能を使えば、チャージした金額を後払いにすることができます。
このポチっとチャージの利用には簡単な審査がありますが、利用実績に応じてチャージできる上限額が変動する仕組みになっています。
Kyash(キャッシュ)
Kyashは、Visaプリペイドカードを発行できるウォレットアプリです。
「イマすぐ入金」という機能を利用することで、必要な金額を後払いで入金することができます。
入金額に応じた手数料がかかりますが、手元にお金がないときでもKyash残高をチャージしてすぐに買い物ができます。
こちらも利用状況に応じて上限額が設定される仕組みです。
後払いアプリを現金化する具体的な方法
後払いアプリを利用して現金を手に入れるには、主に「自分で行う方法」と「専門業者に依頼する方法」の2種類があります。
それぞれにメリットとデメリットが存在するため、仕組みをよく理解することが重要です。
ここでは、それぞれの方法について詳しく解説します。
自分で商品を購入して売却する方法
この方法は、後払いアプリの決済機能を使って、換金率の高い商品を自分で購入し、それを買取業者やフリマアプリなどで売却して現金化する流れです。
例えば、最新のゲーム機や人気のスマートフォン、ブランド品などが対象商品として選ばれやすいでしょう。
自分のペースで進められることや、業者とのやり取りが少ない点がメリットと言えます。
しかし、商品の選定を間違えると買取価格が低くなり、思ったような現金が手に入らない可能性があります。
また、商品の購入から売却、入金までに時間がかかる点もデメリットです。
専門の現金化業者を利用する方法
もう一つの方法は、後払いアプリの現金化を専門に扱う業者に依頼することです。
業者のウェブサイトから申し込み、指示された商品を後払いアプリで購入します。
その購入が確認され次第、手数料を差し引いた金額が自分の銀行口座に振り込まれる、という仕組みが一般的です。
この方法は、申し込みから入金までのスピードが非常に速いことが最大のメリットです。
即日、場合によっては数十分で現金が手に入ることもあります。
ただし、手数料が高めに設定されていることが多く、手元に残る現金は購入額よりも大幅に少なくなることを覚悟しなければなりません。
後払いアプリ現金化のメリット
多くのリスクを伴う後払いアプリの現金化ですが、利用を検討する人がいるのは、いくつかのメリットがあるからです。
どのような点が魅力となり得るのか、主な利点を2つ見ていきましょう。
ただし、これらのメリットはデメリットと表裏一体であることを忘れないでください。
手軽に現金が手に入る
最大のメリットは、スマートフォン一つで、場所や時間を選ばずに現金を手配できる手軽さでしょう。
消費者金融の店舗に出向いたり、複雑な書類を用意したりする必要はありません。
申し込みから入金までがオンラインで完結するため、急にお金が必要になった場面では非常に便利な手段と感じるかもしれません。
金融ブラックでも利用しやすい
前述の通り、多くの後払いアプリは信用情報機関を通した審査を行いません。
そのため、過去の金融トラブルが原因でクレジットカードやローンを利用できない人でも、現金を手に入れる手段となり得ます。
誰にも知られずに、かつ自身の信用情報に関わらず資金を調達できる可能性がある点は、利用者にとって大きなメリットに感じられるでしょう。
知っておくべき後払いアプリ現金化の危険なリスクとデメリット
手軽で便利な側面に目が行きがちですが、後払いアプリの現金化には多くのリスクやデメリットが潜んでいます。
安易に利用すると、思わぬトラブルに巻き込まれたり、経済状況をさらに悪化させたりする危険性があります。
利用を検討する前に、必ず以下の点を理解しておきましょう。
利用規約違反によるアカウント停止
ほとんど全ての後払いアプリや決済サービスの利用規約では、現金化を目的とした利用を明確に禁止しています。
アプリの運営会社は、不自然な決済パターン(換金性の高い商品の連続購入など)を常に監視しており、現金化が発覚した場合は、利用規約違反としてアカウントが永久に停止される可能性があります。
一度アカウントが停止されると、同じサービスを二度と利用できなくなるだけでなく、関連サービスにも影響が及ぶかもしれません。
高額な手数料と換金率の低さ
現金化業者を利用する場合、70%〜80%程度の換金率が相場と言われていますが、実際にはそれよりも低い換金率を提示されたり、不明瞭な手数料を追加で請求されたりするケースも少なくありません。
例えば、5万円の現金化を依頼しても、手元に残るのは3万円程度ということもあり得ます。
これは、年利に換算すると違法な高金利に相当するケースもあり、非常に高いコストを支払うことになるのです。
悪質な業者とのトラブル
現金化業者の中には、残念ながら悪質な業者も存在します。
「商品を送ったのにお金が振り込まれない」「個人情報を悪用された」「脅迫まがいの取り立てを受けた」といった詐欺被害やトラブルに巻き込まれる危険性があります。
公式サイトの情報が乏しかったり、連絡先が携帯電話の番号しかなかったりする業者は特に注意が必要です。
支払いが遅れた場合のリスク
後払いアプリで決済した金額は、当然ながら翌月以降に支払わなければなりません。
現金化によって一時的にお金を手に入れても、返済の義務がなくなるわけではないのです。
もし支払いが遅れると、遅延損害金が発生し、返済総額はさらに膨らみます。
また、長期間の滞納は、弁護士や債権回収会社からの督促につながり、最悪の場合は裁判沙汰になる可能性も否定できません。
後払いアプリ現金化業者を選ぶ際の注意点
もし、どうしても現金化業者を利用する必要がある場合でも、悪質な業者を避けるために最低限の注意を払うべきです。
トラブルに巻き込まれないために、業者を選ぶ際にチェックすべきポイントをいくつか紹介します。
慎重に判断することが、自分自身を守ることに繋がります。
公式サイトの確認
まずは業者の公式サイトを隅々まで確認しましょう。
会社の所在地、代表者名、固定電話の番号などが明記されているかは、信頼性を判断する上での基本的なポイントです。
情報が不足していたり、曖昧だったりする業者は避けるのが賢明です。
換金率や手数料の明確さ
「最大換金率98%」といった魅力的な数字だけを鵜呑みにしてはいけません。
実際には、そこから様々な手数料が引かれ、最終的な手取り額が大きく減ることがほとんどです。
申し込み前に、実際の手取り額がいくらになるのか、手数料の内訳はどうなっているのかを明確に提示してくれる業者を選びましょう。
古物商許可番号の有無
商品買取方式で現金化を行っている業者は、都道府県の公安委員会から「古物商許可」を得ている必要があります。
この許可番号は、公式サイトの会社概要ページなどに記載されているのが一般的です。
許可番号が確認できない業者は、法律を遵守していない可能性があり、利用は非常に危険です。
口コミや評判の調査
業者名で検索して、インターネット上の口コミや評判を調べることも重要です。
ただし、良い口コミばかりが並んでいる場合は、業者が自作自演している可能性も考えられます。
SNSや口コミサイトで、実際に利用した人のリアルな声を探し、良い評判と悪い評判の両方を参考にして総合的に判断しましょう。
まとめ:後払いアプリの現金化は慎重に
後払いアプリの現金化は、審査なしで手軽に利用できる反面、利用規約違反や高額な手数料、悪質業者とのトラブルといった多くのリスクをはらんでいます。
一時的に現金を手に入れることができても、結果的に返済に苦しみ、経済状況をさらに悪化させる可能性が高い行為です。
利用を検討する際は、その場の状況だけで判断するのではなく、必ずデメリットやリスクを十分に理解してください。
もし本当にお金に困っている場合は、現金化のような手段に頼る前に、公的な相談窓口や支援制度を利用することも検討しましょう。
後払いアプリは、あくまで計画的なショッピングのための便利なツールとして、正しく利用することが大切です。